Suguru's Soliloquies

外資系のクラウドベンダーでサポートのマネージメントをやっています。激動のIT業界で日々感じている事、疑問に思った事などを綴っていきます。もちろん、全ての内容は個人の見解であり所属する組織の公式見解ではありません

相手が唸る障害報告とは?

何故報告書が必要なのか?

 公開されている情報だけでは、どうにも収まらない報告書。

 何故、お客様は、そんなに細かい部分を気にして知りたがるんでしょうか?

 運用部門や開発部門に情報を求めても、そんな事を要求してくるのは一部のお客様だけだと言われ、下手をするとお客様の期待値コントロールが出来ていないと怒られてしまうこともありますよね。

 でも、お客様だって困っているんです。だって、誰かに報告しなきゃいけないんだもの。

 そう。ほとんどの場合、報告書は更に報告されて行くのです。

 報告書をお客様に渡した後、どこでどんな風に使われているのか考えてみましょう。

 相手の報告先を想定しておくと、良い報告書のイメージが掴みやすいです。

 

主要な3つのポイント

1. 結局何が問題だったのか?(バグ?プロセス?オペミス?)

2. 何に対して謝るのか?(出来ていなかった事は何?)

3. 本来あるべき姿は何なのか?(短期、長期の再発防止策)

 

報告書のコツ

  1. 報告書は最短で結論が分かる様に書く。ほとんどの人は詳細は読まない。
  2. 項目分け、箇条書きの有効活用。
  3. 書かなくて良いことは書かない。報告書7割、口頭3割
  4. 報告書のレビューの仕方。何も知らない人が理解出来る事が重要。
  5. 内容だけではなく、文節の順番、長さ、見やすさ、も見直そう。
  内容を知らない第3者にレビューして貰おう!
 

報告会ってなんでやるの?

 障害や不具合が発生すると、お客様だって不安なのです。

 この製品・サービスは継続して安心して使えるんだろうか?せっかく社内を説得して採用したのに、もしかして、選定に誤ったかも?

 こんなお客様の不安を払拭し、安心して製品・サービスを継続して使って貰いたいですよね。

 でも、お客様は怒っているし、また怒らせたらどうしよう。

 報告会は不安なのは当たり前。誰でも緊張します。

 

では、平常心を保つには?

  •   とにかくビビらない。
  •   お客様への承認欲求を断つ。(認められたい、気に入られたいという気持ちは、一時的にストップ。正確に正しい事を伝える方が大事です)
  •   お客様のキーパーソンを見極める  
  •   場の空気を支配する。お客様のペースに乗りすぎない。

話し方や全体の流れの注意事項

  • お客様の前で報告書は読み上げない。顔を伏せない。自分の言葉で説明しよう。(なので、内容を頭に入れておくのです)
  • 人は緊張すると早口で単調な口調になる。「言いたい事を伝えなければ」、と焦らない。
  • 自分で読んで分からない事は、お客様も分からない。なるべく簡単な言葉で報告する。
  • 必ず要所要所で、お客様の疑問点を確認する。
  • プレッシャーで長時間沈黙してはいけない。
  • お客様のご意見を聞く姿勢で。そこから可能なアクションを提案して行く。
  • 出来ない事を約束してはいけない。

 

何故どなられ続けるのか、叱られるのか?

 なぜでしょうね。

 でも、そんな時、自分が悪いわけじゃないのに、早く逃げたい、終わらせたい、と思ってませんか?

 その気持ち、お客様に見えてます。

 

 人間には弱い者を攻撃する本能がある。表情や声のトーンで弱みを見せない。

  • 怒りが続いて終わらない場合、言いたい事を理解した事を伝えて話を終わらせる。

「申し訳ございません。xx様のおっしゃる通りです。そこは私としても弊社の課題だと考えております」「はい。その通りです」等々、合いの手を入れて、きちんと理解している事をお客様にもしっかり伝える。

  • お客様の話を遮らずに、伝えたい事をしっかり伝えよう。「xx様の仰るように」という枕詞は効果的
  • お客様の言葉を捉えて、リピートして話しを繋げる。
  • お客様を飽きさせない。手を使う、立つ、指さす、ホワイトボードを使う、質問してみる。
  • 「すみません、申し訳ございません」、よりも、「有り難うございます」が有効。謝るだけじゃなくて、フィードバックに感謝しよう。

報告会は終わったけど、それで終わりだっけ?

言われた事やご要望は議事録に残し、必ずその日のうちにメールで出す。

メリット:

  •   記憶の新しいうちに合意した内容を明記する
  •   会議の内容の主導権を握る
  •   言った、言わない問題の防止

電話で話して合意した内容も、必ずメールや文章に残して共有する

 

いや、大変でしたね。

でも、こんな時に、お客様が頼れるのは製品やサービスの提供者だけなのです。

お客様の立場の方にも、我々が日々どんな事を考えているかを知って頂けると嬉しいです。